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豚に真珠を ~ Give Pearls to a Swine.
外国語に精通していない店主が見ていて楽しいビジュアル系洋書の紹介。
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■ Ed Emberley's JUMBO JUMBOREE DRAWING BOOK
2006年03月06日 (月) 21:47 * 編集
edjumbojamboree.jpg

気楽に描こう
店主評価★★★

「自然を円柱と円錐と球として扱う」とはかの有名な画家セザンヌのありがたい言葉だ。風景を描こうと意識して景色を見ると普段何気なく見ているものが実に複雑なものであることに気づく。

「大変だなあ」とか「何から描けばいいのだろう」と とまどうこともあるだろう。そもそも絵を描くというのは三次元のものを二次元に置き換える抽象的な作業なのだから見えたもの全てを描けるわけではない。

しかし、絵を描きなれていない、または絵の訓練を受けていない人は自然の持つ無限の情報に圧倒されつつ見えるものを全て描こうとしてその結果納得のいかない絵にしてしまうことが多いようだ。

先にも描いたが、風景なり器物なり実際のものが持つ情報量というのは膨大だ。それを描く場合自分対象に見えるもののなかから何を描こうとしているのか、つまり何が描きたいのかを意識していないと現実のもつ情報の迷路に迷い込んでしまう。

この現実の迷路から抜け出すヒント(の1つ)がセザンヌの言葉にある。彼はものを表現する上で全てのものを円柱・円錐・球という三つの形態としてとらえることで複雑なものを解析するとした。球1つならただの球だがそれがだんだんと複雑に絡み合うことにより木になり森になるという理屈だ。(余談だが以前三次元の形態作成ソフトに「メタボール」というのがあってこれは球を組み合わせることによって有機的な形態を作り出すというものがあった。まさにセザンヌ理論を実践したようなソフト)

ものの見方に道筋を付けることで、ものの描き方がわかる気がしてくるところがこの言葉のありがたい点だ。

今回紹介するのはこれを見るとついついセザンヌの言葉を思い出してしまう」Ed Emberleyのお絵かき指南書。もう終わってしまったが一時ソニープラザで毎月発行される「SP」に絵の描き方教室が連載されていたのでご存じの方もいるはず。

絵描き歌のように○△□を順に描いていくだけで動物、人間、自動車、工業製品など様々な絵が描ける。幾何図形だからといって侮る無かれ、実に表情豊かなイラストが小さな子供から大人まで誰でも描くことが出来るのだ。しかも、同じに描いたつもりでも描く人によってチョットずつ違ってくるのも面白い。

確かにどんなものでも基本形態に還元出来るということを妙に納得出来きる説得力を持つのが彼の絵の魅力だ。

その場しのぎのゆるキャラが氾濫する日本にはこのような芯のしっかりしたキャラクターがもっと評価されても良いと思うのだが…それでもやっぱりゆるいのがスキ?
2003 LITTLE, BROWN AND COMPANY
280X217, 254p
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