
なんとなく、グラフィック
店主評価★★☆
ふと「グラフィックって何だろう」って考える。
色とか形とかが綺麗に構築されているような美しい世界が漠然と頭に浮かぶが、今ひとつ適切な言葉みつからない…。
そんな時にはやはり辞書。
グラフィック [graphic](名・形動)
印刷物で、写真・絵画図版などを多く用いて、視覚に訴える面の強いさま。また、そのような印刷物。
<引用:大辞林 第二版 (三省堂)>
「視覚に訴える面の強いさま」、か。スゴイ表現。とても美しいビジュアルが結びつかない説明なのでやっぱり<色だとか形が綺麗に構築されている美しい世界>でよしとしよう。
さて、この本、ジャンルとしてはグラフィックデザインに入るが、特定の商品やターゲットがいるわけではない。若手のアーティストが気の向くままに集まって「これって、おもしろいんじゃない?」っていうのりで作った作品集、だと思う。ビットマップ画、ベクター画、写真などで構成された作品群は実験的な表現が主で、一見「無意味」「いったい何をしたいの」 「でも、気になる」 答えのない色々な感情が頭を交錯する。だから、興味のない人にはとてつもなくつまらない本であると同時に、好きな人にはたまらなく面白い本になるという好き嫌いがはっきり出るであろうマニア本。
例えるならば、
黒でも赤でも良いから新品のボールペンのキャップを開けて目の前に広げてノートにグルグルと丸を描いていく。グルグル、グルグル、グルグル…、一時間も無心で描き続けているうちにノートがボールペンのインクで埋め尽くされている。でも、完全には埋め尽くされずに残った小さな形とか、ノートについたボールペンの筆圧によって生まれた凹凸とか、白熱灯の光をうけてかすかに反射するインクの色とか…。 なんだか綺麗。 そう言う類の感覚。
「面が強い」かは別にして綺麗な世界の予感がするでしょ?
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