
構成主義の夢はコンピュータグラフィックスで完結した。(のか?)
店主評価★★★★★
店主がコンピューター [Macintosh] をデザイン業務に取り入れたのは1993年。コンピューターによるデザインも普及しつつあったが、一般的デザイン作業はまだ写植を頼んだり、切り貼りをしつつデザイン指定をし、版下入稿というのがスタンダードだった。
当時の日本ではまだ本当の意味でのDTP(デスクトップパブリッシング)の基盤が整っていなかったのだ。というわけで、我が家のコンピューターも実務で使用すると言っても版下作成の延長線上でしかなかった。
しかし、目を世界ではすでにコンピューターによるデザインがスタンダードなりつつあったようだ。(ちなみに日本が立ち後れたのは一書体当たり5000字デザインする必要があるフォントの問題が大きかったのだと思う。一書体当たり260字程度デザインすれば良い欧文とでは開発スピードやコストの点で差がつくのは致し方のないところだ)
洋もののデザイン雑誌などを見るとコンピューターを利用した刺激的なデザインが怒濤のように飛び込んで来た。やはり衝撃的だったのはタイポグラフィー系の文字を使ったデザインだ。文字や単語を意味から離れてフォルムとしてとらえる、無機質な記号が織りなすシュールな風景にグッと来たものだ。
本書は当時店主が見ていたタイポグラフィ作品を集めた本である。今から見るとまだまだ技術的には単純な作品が多い。が様々な書体を大きさを変え、色を変え、跳んだりはねたり文字を主人公に画面にストーリーを持たせるデザインは今見ても新鮮だ。ロシア構成主義の夢がここに完結したというのは言い過ぎだろうか。
購入当時、驚くほど価格が高かったにもかかわらず、何の迷いもなくレジへ持っていったことを思い出す。
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