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豚に真珠を ~ Give Pearls to a Swine.
外国語に精通していない店主が見ていて楽しいビジュアル系洋書の紹介。
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■ Bauhaus: 1919-1933
2006年02月27日 (月) 23:17 * 編集
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よく考えるデザイン。
店主評価★★★

1919年ワルター・グロピウスによってドイツにつくられた造形学校「バウハウス」。この名前は建築やデザインを志すものは一度ならず耳にしたことがあるはずだ。

19世紀後半、急速な工業化によって得られたものは合理化された生産とコスト削減だ。しかしその一方それまで物作りをしていた職人などの仕事がなくなり結果「モノ」の品質は低下した。この精神的文化と物質的文明の対立を融合させるキーポイントが建築であるとし、総合的なデザイン力のある建築家を育てるという目的で作られた。

絵画や彫刻その他様々な造形芸術的教養と技術的教養を統合するためにヨハネス・イッテン、カンディンスキー、パウル・クレーなど当時第一級の芸術家が集められ「造形」を教えた。それまでの徒弟制度が親方の真似をすることで技術を向上させるというスタイルから、自分自身で考える「モノ作り」が実践されたのだ。

本書はバウハウスで実践された各工房での授業とマイスター(先生)と徒弟(生徒)の作品を集めたものだ。写真点数も多く、有名な作品があらかた網羅されている。店主の持っているものは日本語訳版であるから、読み物としても楽しめる。

ところで、バウハウスものというと1995年セゾン美術館で開催された「バウハウス展」のカタログが私の持っているものの中では最高なのだが、水没させてかびさせてしまった。今ではプレミア価格で手に入れるのは難しいので本当にもったいないことをした。もちろん、捨てずにとっておいてあるが…。

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これは店主評価★★★★★
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■ typography NOW the next wave
2006年02月21日 (火) 00:34 * 編集
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構成主義の夢はコンピュータグラフィックスで完結した。(のか?)

店主評価★★★★★

店主がコンピューター [Macintosh] をデザイン業務に取り入れたのは1993年。コンピューターによるデザインも普及しつつあったが、一般的デザイン作業はまだ写植を頼んだり、切り貼りをしつつデザイン指定をし、版下入稿というのがスタンダードだった。

当時の日本ではまだ本当の意味でのDTP(デスクトップパブリッシング)の基盤が整っていなかったのだ。というわけで、我が家のコンピューターも実務で使用すると言っても版下作成の延長線上でしかなかった。

しかし、目を世界ではすでにコンピューターによるデザインがスタンダードなりつつあったようだ。(ちなみに日本が立ち後れたのは一書体当たり5000字デザインする必要があるフォントの問題が大きかったのだと思う。一書体当たり260字程度デザインすれば良い欧文とでは開発スピードやコストの点で差がつくのは致し方のないところだ)

洋もののデザイン雑誌などを見るとコンピューターを利用した刺激的なデザインが怒濤のように飛び込んで来た。やはり衝撃的だったのはタイポグラフィー系の文字を使ったデザインだ。文字や単語を意味から離れてフォルムとしてとらえる、無機質な記号が織りなすシュールな風景にグッと来たものだ。

本書は当時店主が見ていたタイポグラフィ作品を集めた本である。今から見るとまだまだ技術的には単純な作品が多い。が様々な書体を大きさを変え、色を変え、跳んだりはねたり文字を主人公に画面にストーリーを持たせるデザインは今見ても新鮮だ。ロシア構成主義の夢がここに完結したというのは言い過ぎだろうか。

購入当時、驚くほど価格が高かったにもかかわらず、何の迷いもなくレジへ持っていったことを思い出す。

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■ PRE-POP WARHOL
2006年02月13日 (月) 19:55 * 編集
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一本の線

店主評価★★★★★

日々生活している中で「才能とはこういうものだ」と強烈に感じる瞬間がある。アートの世界で言えば「たった一本の線」にやられる場合が多い。たかが一本の線と思うかもしれないが、「強烈な存在感をもって見る人を圧倒する線」というのは誰にでも引けるものではない。

子供のようないたずら描きに見えるのか「あの絵はチョット理解出来ない」と良く言われるピカソも以前紹介した本でも判るとおり激しく心揺さぶる一本の線を引く。ユルーい感じが魅力のホックニーのドローイングなども真剣の切れ味だ。最小限の行為の中に才能を閉じこめられる人が「天才」なのだろう。

今回紹介するのはアンディー・ウォーホール、キャンベルスープやマリリンモンローなど一般大衆的なモチーフをアートに取り入れ、ポップアートの旗手として有名な彼のポップアート以前の作品を集めた作品集だ。早くから芸術的な才能を見せていた彼は大学で広告芸術を学び、卒業後商業広告に携わる。この経験がポップアートへと繋がっていく。

ウォーホールのポップアート作品というと写真をシルクスクリーンで表現し、そこへペイントやドローイングを施すという手法が有名で、デザイナー出身だけあって一般ウケする作品作りはまさにポップアート(大衆芸術)だ。その手法を使えば誰にでもウォーホール的作品が作れてしまう(あくまでも見かけはだけど)。アートを誰にでも出来るものだと我々に気づかせてくれた功績は大きい。しかしだ、誰にでも出来そうなことをアートにした彼も実は彼しか引くことの出来ない「強烈な存在感をもって見る人を圧倒する線」を描ける人なのだ。

ペンで描かれた靴や花や天使など、どちらかというと商業的な表現ではあるがウ~ン、と唸ってしまう説得力がある。この本を見てから彼のポップアート作品を見ると、誰にでも出来そうだけどやっぱりこれは彼にしかできないものだと納得出来るはずだ。

絶対音感を持つ人は小鳥のさえずりや木々のざわめきなども音階で聞くことが出来るそうだ。一本の線で才能を現すことの出来る人のペン先にはどんなものが見えているのだろう。
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■ fly the art of the club flyer
2006年02月06日 (月) 22:20 * 編集
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チラシ

店主評価★★★☆

「チラシ」と聞くとあまりいいイメージを持たないのは私だけだろうか?「大売り出し」のチラシ「新装開店」のチラシ、「ピンク」チラシ…デザインが関与する余地のない「告知」に特化した情報伝達手段というような印象だ。

ところが不思議なことに「フライヤー」と名を変えるとこのマイナスイメージが一変する。何となくカッコイク思えてくる。ネーミングとは恐ろしい。日本でもクラブでのライブ・イベントの告知にこのフライヤーがよく作られており、賛同するショップやレストランにおかれていることも多い。

このフライヤーの良い点は色々な意味で「縛り(制約)」が少ないということではないだろうか。制作数も少ないし、ターゲットも限られている。趣味のあう者同士が「コレイッチャウ?」」って感じである意味前衛的で実験的といえるデザインを作っているところが面白いのだろう。

もちろん中にはレベルの低いモノも多いわけだが、とてもクオリティーの高いデザインを目にすることも稀ではない。蛍光色やメタリック色、ニス引きなど印刷に凝ったモノが多いのも特徴だ。一般的なカラー印刷の場合、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・黒)という4色のインクを掛けあわせることによって表現する。つまり、4っつの版を作って4回刷るわけだ。これが2色になると当然コストが低くなる。そこで、4色使わない変わりに2~3色の特色インクを使ってより効果的なビジュアルを作ろう奮闘しているわけだ。

デザインは様々な条件が満たされた状態よりも多少不自由な場合にこそデザイナーのアイディアが発揮される。

というわけで、只でもらえるモノだが面白い発見があるフライヤーの世界。本書もこのクラブ系フライヤーを蒐集している。1996年発行なので、今見ると少々古くさい印象も否めないが、金や銀、蛍光色といった特色を使ってとても贅沢な仕様になっている。店主推奨する蒐集本の最低ページ数100ページには少々足りないが、見応えは充分だ。

ところで、純粋にフライヤーと言えるかは疑問だが、最近店主が気に入っている配布物は 「au ショップ」で毎月1日配られる「if if」。タイトルが「モシモシ」がイケテいるのかイケテないのかは疑問だが、クリアファイルに入った毎月凝ったおみやげ付きのフライヤーの楽しさは群を抜いている。蒐集し始めて3年目に入るがこのエネルギーはすごいよ。
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